そして二人は幸せに暮らしました~その7~

「それでは、宜しくお願いしますね」
「ええ、こちらこそよろしくお願い致しますよ」
にこやかに話し合いが終わりましたが結局良く分かりませんでした。奥様がこの話を引っ張っていたみたいでしたけれど。お客様がお帰りになる時、私と奥様が御見送りに行こうとするとゴルドン様が目で制してきましたけれどこれは動いて引けないという事で宜しいんですか奥様。ゴルドン様とルクベスさんが立ち去り部屋には私達だけになった。
「お疲れ様です奥様」
「ただお話しただけですよ、むしろずっと立っていただけでしたから疲れたのではありませんか」
「そんなことありません。本当は私もお手伝いできればよかったんですけれど」
「急がなくてもいいのですよ。ゆっくり覚えて行けば」
「はい奥様」
優しく抱きしめててくれている。奥様は領主様になって(本当の領主様はゴルドン様だけど)から沢山のお仕事をして色んな男の人たちとお喋りじゃないな怖い言い合いをしてるのに、負けないで強い。だけど私があった時と変わらないで優しい。今日は静かだったからふんわりと温かい。奥様がお日様になったみたい。
「この後は、どうなっていますか」
「ええと、レアタン様と会食、、、、のはずです」
本当ならチーリーさんがすることなのに、私がやってしまって本当にいいのだろうかチクリ。でも私とゾンナさんしか出来ないし。ああ、あんなに覚えたのにどうしてすぐ出てこないんだろう。もうそろそろルクベスさんに聞かなくても分かるようになりたい、ならないといけないんだ。私は特別奥様のそばでルクベスさんから教わっているんだもの。ちゃんと覚えなきゃ、それが侍女のお仕事なんだもん、出来ないといけないことが出来ないなんて一番駄目な事だよ私!
「じゃあもう少しこのままでいますか」
「でも、ルクベスさんかゴルドン様がいらっしゃると」
「では終わり」
自分で言って、それを聞いてくれたのにとっても寂しい。もうちょっとだけ。
「あの人は壊す人ですからね。ほら」
足音が聞こえる。速足で強く床を踏んでいる。後から二つの足音。段々大きくなってドカンと扉が開いた。
「おい、今の話は一体どういうことた」
「お父様、その話はあとでします」
「いいや今だ。領主は俺だお前はあくまで代わり。にも関わらず勝手に話を進めやがって」
「お父様も話し合いを参加していたではありませんか。いえ、お父様が主体だったではありませんか。私はお父様の話をきいてやっていただけですよ」
「俺はあんなことをやれと言ったつもりはない」
「では、何故了承したのですか」
「煩い娘だ。お前が断れないように話を持って行ったではないか。あの状態で断って見ろどんな目で見られるか」
「それくらいで反対するのをやめるならばたいしたことないではありませんか」
「何だとこの娘」
ゴルドン様は顔を真っ赤にして怒鳴っていたが急に黙って睨んでいる。やっぱり。奥様申し訳ございません。私はゴルドン様はそんなに嫌いではないのです。奥様のことを幼子のように扱う時は良い気分ではありませんが、怒りっぽくて声が大きい姿は麦の収穫を手伝ってくれた畑のおじさんのようなのです。いっぱい怒られましたが、笑うと地の果てまでグラグラするような陽気なおじさん。ゴルドン様を見てると思いだします。奥様のように壊す人だと思えなくて申し訳ございません。
私を見た。
「おい、まだこんなのを傍に置いているのか」
「侍女ですから」
「農民上がりだろ、もっと相応しい娘がいただろうに。そもそもルクベス一人で十分だ」
今日のお話だ。私がいるせいで毎日このお話をさせてしまって申し訳ございません。でも、奥様は私の事をかばってくれてそれで私は今でもここにいる。早くゴルドン様にも良い使用人だと思ってもらおう。だから頑張らないと私。
「こんな娘を連れて見送ることなどできるか。話し合いの場にも呼びたくないのだぞ私は」
「では、チーリーを私に付けてください。私の補助をやってくれる人間であれば誰でもいいのです」
この後ゴルドン様が何をおっしゃるのか分かっていますね。この次にきっときっとあの言葉が来ると思いますけど大丈夫でしょうか。
「いいか、チーリーは執事であり私設秘書の優秀な男だ。ただの小娘なんかにやれるか」
ちゃんと言ってくれましたね良かったです。これがあるから、あのようにおっしゃる。だけど、これは悪いことではありませんか。私と一緒にいれるから嬉しいとおっしゃってくれますが、仕事できない人より出来る人ですから。チーリー様がいればもっとお仕事できるのに。でも、それよりもっと嫌なのは今日の夜また謝らせてしまいますよね。奥様は優しいという事をしっかり分かっております。なのに私は
「それよりも急ぎましょう、次は会食ですから。レアタン様をお待たせすると失礼ですよ」
昼間にこう言ってゴルドン様の同じ話を打ち切った奥様。
「ごめんなさいリアリ。私はチーリーを渡されてもあなたを離す気はないですから」
その日の夜に謝る奥様。私がもっとゴルドン様に認められれば奥様はこんなことを言わなくても済むのに。
「大丈夫です奥様、私は分かっていますから」でも奥様、あの話になるとまた謝りますよね。私頑張りますからどんなこと言われても絶対離れないって信じられるようになりますから。
「それよりも奥様、今日は何を教えていただけるのですか?」
今日は一体何をしますか。何を教えてくれますか。私の体は楽しいことでいっぱいになっています奥様。
「では、この本を読みましょう。近頃話題になっている政治に対する思想です」
また難しそうな本、だけど私ならわかると思ってくれたのですね。頭が良くないですけど頑張ります。
「この国は、小さい領土に分かれていてそれを領主が統治していますね」
どうしても奥様の唇ばかり見てしまいます。だから何を言ってるか分かるのに私は分からなくなってしまいます。
「分かりましたか」
「すいませんもう1度」
奥様の娘に私は相応しいのでしょうか。そのために教えていただけることは本当に私に身についているのでしょうか。生きるために学んだ奥様と違って私は奥様と結ばれる方法ですから。私は奥様の言う唯一結ばれる方法をやる意味があまりわかっておりません。私が奥様の次の領主にならなくても、奥様と入れるだけで幸せなのですから。奥様の侍女のままで十分幸せですから。
「そしてそれを徴収する国王という存在になります。この本はこの形を生かしたまま民を領主と同じ位置にすればよいのではないかと言っています」
「そしたら形が変わりますよね。奥様も領主様ではなくなってしまいます」
「それはですね」
嗚呼奥様、頭の悪い私に丁寧に教えてくれて難しい話なのにお母さんが話してくれるみたいなのは優しいからでしょう。
「と言う事なのです。そしてリアリ」
「はい」
「私は領主ではありませんよ。いずれ継承しますけどね」
奥様は優しくて強いお方です。おしゃべり以上に私が那なったら本当に邪魔じゃないんですか。大丈夫ですか、奥様の邪魔をしているのではないですか。今は大丈夫だとしてもいづれは邪魔になるのではないのですか。
「では、次はそれを移行する方法について教えましょう」
ううむ難しい、けれど奥様の話は唄みたいですから頑張れます。でももうちょっと分かりやすく書いてくれれば良かったのに。読むのは奥様のように頭がいい人だけだから大丈夫ってことかな。麦を刈っていたらこんな本読むことなかったですし。
「難しい?」
「えっいや」
折角お話ししてくれていたのに、もうちょっと聞かないと。難しいのはそうですけど。
「ええと、頑張ります」
ふっと笑って、とっても優しい顔です。
「リアリって本当に頑張り屋さんですね」
パタンと本を閉じてテーブルに置いちゃった。
「今日はここまでにしましょう」
「でも」
「いいのですよ、無理やりやっても分からないものは分かりませんから」
気を遣わせてしまいました。本当は今日もっとやるはずだったと思いますが、私が頭が良くないせいで途中で終わらせてしまって。これは私の為に奥様がやってくれていることなのに、でも続きお願いしますと言ったらせっかく私を思って終わりにしたのに。ううんどうすればいいんでしょう。良く分からなかったのは本当だけど、奥様がやりたかったことが私のせいで出来ないっていうのはいけないことですよね。
「今日は休みましょう、明日やればいいのですから」
「はい」
お優しい奥様、私も奥様と同じくらい頭が良くて優しい人になれるかな。きっと無理だろうなぁ。だって女神さまだもん。
「リアリ」
「はい奥様」
いつものように手を開く奥様に抱き着く。ゆっくりと優しく包み込まれる暖かくて柔らかくていい香りがする。花のようなもっと美しいような。
「息苦しくありませんか?」
「大丈夫です。では私も抱きしめさせていただきます。この前のようにならないように気を付けますから」
「大丈夫です」
一言だけで私は抱きしめる。怖いのは胸に触れる事、抱きしめられた時固まって手がそのままになってしまった。瞬間、奥様が離れ私をにらんだ。顔だけは知ってる、お亡くなりになった領主様の事をお話になる時と同じ顔。すぐに柔らかくなってごめんなさいと言ってくれたけれどリアリは分かっておりますから。あの、その、
「優しい花の香りがします」
「いつもそういいますね」
「あう」
奥様のようにありとあらゆる言葉を知っていたら私が今見ている感じているい奥様をお伝えできるのですが、分かるのは花の香りだけなんです。でも別の言葉も行った方がいいですよね。この、ぐわーって感じもっと考えればわかるのですけど。
「、えっと」
「考えなくてもいいですよ。この時間位どうぞお休みになって」
「ありがとうございます。でも奥様はとっても美しくて」
「嬉しいです、そういうところが好きなんですよリアリ」
ギュッとより一層抱きしめられる。ドキドキするけれど収まるようなこの気持ちは一体なんて言えばいいのでしょうか。
「わたしはですね」
「はい」
「貴女のためならこの体をいかようにしても構わないと思っているのですよ」
体の芯が燃えた。
「そんな、それを言うなら私がそうしなければいけなくてじゃなくてそうしているのですけど」
「ですけれど、わたしはこの体に恐ろしさを覚えているのですよ。汚れたらそれを取除くことが当たり前となって宿っているのですよ。勿論リアリは清いですが、そうなってしまっているのですわたしは。わたしはですね、この時間のまま終わってしまえばどんなに素晴らしいかと考えているのです。もしこの時私が死ぬとするならばそれほど嬉しいことはありません。わたしは何よりも貴方が貴方ではなくなるのが恐ろしいのです。ええ、わたしはずっと人の形をした獣ばかりの人生でした。獣は獣であり人ではありません。リアリはずっと人でしょう。だからこそ、恐ろしいのです。永遠と言う言葉が無いように、リアリが獣となり私の肉体だけではなく、精神ですら穢れと認めた瞬間。わたしはこの時間に舞い戻り全てを殺してしまうでしょう。傲慢でしょうね、貴方の為と言いながら自分の為にしか私は動かないのでしょう。ですが貴方を、拷問のような世界における聖水を知ってしまったら永遠が無いと知りながら永遠を望むのです。貴方を抱きしめたまま、母と娘のような夜を過ごすだけにしたいのです。この先はないのです。無いと信じたいのです。だから、私がどんな顔をしたとしても全ては私のせいであって貴方は何も悪くないのですよリアリ」
もしかして、先程のお話でしたか?本当にすみません、最後になってようやく分かったのです。私には奥様の言葉は難しいのです。奥様ならお分かりですけど私は麦しか分からない娘だったんですから。本当にごめんなさいこれを言ったらきっと怒りますよね。ですよね。
「あの」
でも、ここで奥様は何も悪くありませんと言ったらまたいいえ私が悪いのですとおっしゃりますよね。また同じお話をさせてしまいます。だからきっと別の話をした方がいいと思うのですが奥様如何でしょうか。私は奥様はずっと美しいままで気品あふれて欲しいのです。だからこの話は終わりにします、怒らせてしまったら本当に申し訳ございません。
「今日ですね、外から小鳥さんの歌が聞こえたのですけどね、あれ何だか聞いたことない声だなぁって思って窓からのぞいたら初めて見る鳥が歌っていたんです。見たことないけれどとってもきれいな鳥さんでした。今はどこにいるんでしょう」
もうちょっと別の話があったと思うのですけどこれしか話せませんでした。まるで子供みたいですね私。
「ええと」
「リアリ」
「はい」怒りますか?
「どういった鳥だったのですか」

「青色で、嘴が黄色い鳥でした」
「どんな歌声でしたか、歌って見せて」
そう言われても私歌なんて上手くないのに。でも声だから歌じゃないよね、でもどうすればどんな声だったっけ。 hhhhhhhh これをどうすれば上手くええと
「ひょ、ひえー、違うなぁヒーヒーええと、ヒュ?ヒョ?ヒェ?ヘー。ええと」
「まぁ、なんて可愛い歌」
「いえいえ、全然できてませんし、もっと綺麗な歌だったんですから」
「小鳥はきっとただ鳴いていただけでしょう、でもリアリは美しいと思った。そういうことですよ」
「じゃあ私は奥様にとっての綺麗な鳥になれましたか」
「ええ、とても可愛いわたしの小鳥」
小鳥さんだったら、奥様の隣をいつでも自由に飛べて素敵な声で楽しませる声を出せるのに。そうですね。
「本当に私は小鳥さんになりたいですよぉ奥様」
「リアリは鳥になりました」
「え?あはい」
「自由に何処へでも飛べるようになりましたけど、最初に何処へ行きますか」
「ええとですね、あの、家の畑に行きたいです」
「麦の?」
「はい、そろそろ麦が金色になる頃なんです。一面金色の麦、とても綺麗な物を上から見ることが出来たら多分もっときれいだと思うんです」
「それは素晴らしいですね、そのままでも素晴らしいものを別の見方をしたらまた新たな一面が見られることでしょう」
「ですよね、鳥になったらきっともっと麦の事が好きになると思うのです、まぁ無理なんですけどね」
「そんなことはありません、もしかしたら人も空を飛べるようになれるかもしれませんよ」
「手に翼が生えるのですか」
「そうある日突然」
「そんなこと御座いませんよ。もしそうだったらこうやって奥様を抱きしめられなくなってしまいます」
「でも鳥の羽ですから、きっと暖かいでしょ」
「わたしの手ではいけませんか?」
「そんなことはありませんよ、私はこうしてあなたと一緒にいるだけでとても嬉しいのです」
「奥様」
「毎日のように言っていますから飽きましたか」
「そんなことあるはずがございません、私も毎日のように麦の話しかしていませんがいつも楽しいですから。むしろ私の方が」
「わたしも貴方の麦の話楽しませて頂いてますよ」
「ほら、私も奥様も楽しいでいいじゃないですか。だからもっと話をしましょう」
「そうしましょう。じゃあもっとお話をして」
「えっ、ええとそうですね。あっ、これも鳥さんの話なんですけど麦が金色になるとカラスが沢山食べに来て、それでおじさんがカラス取りをするっていう話は」
「覚えていますよ」
「畑に罠を仕掛けてとっていたじゃないですか。それをする前に別の方法でカラスを取ろうとしていたんですけど、何だか分かりますか」
「弓で撃ち落としていたのかしら」
「違うんですよ。いやでも近いのかなどうなんだろう」
「じゃあ石を投げた」
「自分でやったところは一緒なんですけど」
「分かった、網を投げてその中にカラスを入れた」
「それが違うんですよ。実はですね、麦の中に隠れて食べに来たところを手でつかんでつかまえようとしたんです」
「あら、あらまぁ驚いた。貴方の家が持つ畑は広かったのでは?」
「そうなんです、とっても広い中でおじさん一人が隠れていたから全然違うところにカラスが食べに来て全然捕まえることが出来なかったんですよ」
「やはり愉快なおじさんですね。確か家に来るたびに新しい罠を作って来るのでしたよね」
「はい、見たこともない道具を持ってきてこれで君のお父さんの畑を守ってあげるからって言ってくれるんですけど、帰る時に次はもっとすごいのを見せてあげるからねって言って、おじさんは畑より道具を見せる方が1番なのかなって思ったりしてます」
「貴女の話を聞いていると何ともあって見たくなりますよ」
「とっても楽しいおじさんなんですよ。怒ると怖いですけど。そうだ、そのおじさんの別の話があるのですけど」
「話してみてくださいな」
「はい。ええと、これはおじさんが都に行った時の話なんですけどね。ええと、何だったかな確か麦を売りに行ったとかそういうええと契約が何とかっていう話だったんですけど。おじさんは待ち合わせ場所に行こうとしていたんですけど歩くたびに道が生きているみたいに変わったんだそうです。分からなくなったから戻ったのに全然知らない所に着いちゃったりとか」
「都は大変複雑な街ですから」
「奥様都へ行ったことあるのですか」
「ええ、何度か。昔ですけどね。本当は父が領主を継ぐ時同行する予定ではあったのですが、着いてくるなと言われてしまいまして」
「ああ」
「わたしの話は良いのですよ。それで?」
「あ、それで迷ってたけどとりあえず歩いてみたんですって。そしたら、誰もいない倉庫みたいな暗い道に着いちゃってあれ、ここどこだろうと思いながら角を曲がったんだそうです。そしたら。宝石のような道に出たそうです。壁がキラキラしていて、綺麗な街だなぁと思って角を曲がると、今度は土と草しかないような広い場所に出て、まるでさっきまでの街は夢みたいだなと思っていると、後ろから子供たちが走り抜けたんだそうです。それで、ええと、何となくその子供を追いかけたら、違いました、一本道だったので子供を後ろを歩くしかなかったんですけど、そしたら徐々に子供の数が増えて気づいたら色んな婦人の皆さんが洗濯をしている場所に着いたそうです。周りを子供がはしゃぎまわってとても賑やか。さっきまでの誰もいない道がとても不思議だったそうです。そこで、正しい道を聞いたらなんとまっすぐ行くだけで目的の場所に付けるって言う事が分かったんです」
「間違っていなかったのですね」
「はい、正しい道じゃないですけど近くまでちゃんと来ていたのです。それでまっすぐ、色んな家が並ぶ道を歩いて、その間ずっと家の音が聞こえて都だけどここと同じ、生活しているところは賑やかで楽しかったそうです。都もこの場所と変わらないんですね」
「それは勿論。栄えてはいますけど住んでいるのは私達と一緒ですからね」
「なるほどぉ確かにそうですね。おじさんも、都もどこも同じって思って歩くと、やっと目的の場所に着きました。それで気づいたら周りが高級な服を着た紳士しかいなかったんです。あの道は消えていて、さっきのは夢で、ずっとこの場所で寝ていたのかなと思ってきた道を振り返るとさっきまで歩いていた道だったのに本当にそこだったのかわからなくなってしまったんです」
「不思議な体験ですね」
「そうですね、ただ叔父さんが道を忘れただけなのですけれど不思議の国の話みたいで面白いです。都はただの道がこんなお話になるんですからきっと面白いのなのですね」
「ではいつか機会が訪れたとき共に参りましょうか」
「はい」
不思議な不思議な道。建物に囲まれている場所を奥様と一緒に歩く。きっとルクベスさんと一緒だと思うけれどそれまでには立派な侍女になっていなければダメですよね。きっとあんなみすぼらしい娘てと歩くなんてと思われてしまいますから。不思議な都に美しい女神様は本のようだけれど不思議な都に私だったらおじさんみたいに迷っちゃってそれでおしまいになるから。きをつけないと。
「あ、いえごめんなさいリアリ」
「どうかしましたか?」
「きっと遠くないうちに私は都に行くでしょう」
「そうなんですか」
「ええ。先日交わした契約なのですが、改めて都で話し合う予定になっています。ただ、継承よりも複雑ですから領主一人ではまともに話し合いをすることもできません。ですからわたしも行く事になるでしょう」
「では、私も」
「着いてきてください」
「はい、それであのいつぐらいになりますか」
「そうですね、ルクベスに聞かないとわかりませんが七日後でしょう」
「七日」
どうしよう、思っていた以上に早く立派にならないと。ルクベスさぁん教えてくれたらよかったのに、ううん。もしこれが立派な次女さんだったら教えてもらわう必要ないもんね。いつも一緒にいるんだから知っているはずなんだから。私が私で知らなかっただけ、だからこの七日は私のせい。きっといつまでたっても立派になれないから神様がこの七日をくれたんだ。
「私頑張ります」
ちょっとキョトンとしてから「私楽しみにしてますよ」と奥様が言った。

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2020 BITE